From playing to praying (2017)

おさがりで貰った塗装の剥げたミニカー、お気に入りのフィギュア、なかなか手に入らないキラキラのカード、旅行先で拾った綺麗な小石、どこかのお土産として買ってもらったキーホルダー。

僕は幼い頃から、それら「たからもの」を持ち歩き、広げては、小さな世界をつくって遊んでいました。それから年を重ね、少しずつ色々なことを知っていくにつれ、あれほど鮮明に見えていた世界は次第に複雑で不明瞭なものになり、確かにそこに存在した僕のヒーローも、ぼやけて見えなくなりました。それから大人になってからも、僕はなおキャンバスの上でオモチャを「何か」に見立てて遊び、小さな世界をつくっています。そして、その小さな世界を、どこかの大きな世界へと重ねます。

生きていると、どうにも整理できない複雑な世界の断片に僕らは直面するときがあります。右か左か、はたまた上か下かで分けられるでもない世界の断片を前にして、僕らは自らがどこの座標に存在しているのかを知ろうとします。そのとき、ある一本の暫定的な補助線を引くことで、見えなかったものが見えてくることがあります。あるいは、線を何本引いても、どうやっても導きだせない答えがあることを知ります。それでも僕は何度も境界を引いては、この世界のこと、僕らのこと、そしてあなたのことを、確かめたいと思っています。